鶴丸と佐助 みんなの絵本【念佛宗(念仏宗)】

鶴丸と佐助 みんなの絵本【念佛宗(念仏宗)】
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鶴丸と佐助 みんなの絵本【念佛宗(念仏宗)】

念佛宗(念仏宗)では、仏さまの教えにふれていただきたいと思いまして、HPを開設しております。
21世紀は、こころの時代といわれており、仏さまの教えを学ぶことはとても大切です。
本サイトでは 鶴丸と佐助 他の物語をご紹介しております。
念佛宗(念仏宗)では、鶴丸と佐助のようにいいものねだりだということがわかれば、自分がいかに良かったががわかるでしょう。それこそ、仏様のおこころなのかもしれません。みんなの絵本【念佛宗(念仏宗)】

鶴丸と佐助

むかしむかし ある村に 佐助という 男の子が 父親 母親 妹 弟の 五人で 暮らしていました。
佐助の家は 貧しく 佐助は いつも「お腹いっぱい ご飯を 食べたいなあ。 いい着物も 着たいなあ。うちに どっさり お金があったらどんなに 幸せだろう」と お金持ちの生活を 夢見ていました。
佐助の家では 毎朝 家族の誰かが 村のお地蔵様に ご飯を お供えして 手を 合わせるのですが 佐助は
「そんなことをしても 金持ちになれない」と お供えにもいかず 夕方 畑から 帰ってきても「ああ 疲れた」と 言うばかりで 弟や妹の 面倒もみず 家の手伝いも 全くしませんでした。

ある日 佐助が畑に向かって歩いていると 突然 後ろから 男の声が しました。
「鶴丸様。 ここに おられましたか。さあ お遊びは 終わりですよ」どうやら 佐助は 誰か 偉い人と間違われているようです。
佐助は 乗り物に 乗せられました。乗り物が お城に入ると 佐助は 立派な お風呂で 身体を 洗われ きれいな着物を 着せられ 大きな部屋へ 連れて いかれました。
そこには 豪華な食事が 並んでいます。「すごい ご馳走だ。海老も 鯛もある。腹いっぱい ご飯も 食えるぞ」
佐助は ご馳走を 全部 食べてしまい 天にも昇る 思いでした。食事がすんで 少し休んだ後 佐助は 別の部屋に 連れて いかれました。その部屋には 偉そうな おじいさんが 待ち受けていました。
「若様。勉強の時間ですぞ」その日から 佐助は 訳もわからない 勉強を 毎日 教えられました。食事も 最初のうちは 喜んで 食べていましたが 二 三日もすると すっかり 飽きてきました。
「やっぱり うちの方がいいや。俺には 勉強より 畑を耕す方が 合っている」と思った 佐助は 家来に 言いました。
「どこか 外へ 連れていってくれ」久しぶりに お城の外に出た 佐助は 乗り物から 飛び降りて 逃げ出すと 一目散に 家まで 走りました。

家に たどりつくと 不思議なことに そこには 自分と そっくりな顔をした 立派な着物を着た 男の子がいました。
「本物の鶴丸様かい。俺は あんたと 間違われて 今まで お城にいたんだ」と佐助が言うと 男の子は 答えました。
「あなたが 佐助さんですか。あなたと 私は よく似ていますね。私が いなくなったのに 家来が 探しにこない訳が わかりました。私は 道に迷い お地蔵様の前で ここの家の方に 助けて頂きました。皆様 心温かく 素晴らしい家ですね。私も この家の子供になりたいですよ」
「ここは 俺の家だい」
「そうですね。でも お母さまに 聞くと 佐助さんは 家の手伝いを あまり していないそうですね」
「そんなことはない。手伝っているよ」
「本当ですか。それでは あなたと私のどちらが多く 家のことを 手伝えるか 競争しましょう」
「いいとも。まず 最初の手伝いは 朝いちばんに お母が炊いたご飯を お地蔵様に 届けるところからだな」
翌朝 佐助は 早く起きて ご飯を お地蔵様に 届けようとしました。
「お母。お地蔵様のご飯は?」
「もう とっくに 鶴丸様が 持っていってくれたよ。それより 何か 手伝ってくれるなら 塩と醤油を ここへ 持ってきておくれ」
しかし 普段手伝いをしていない佐助には 塩も醤油も どこにあるか わかりません。佐助が うろうろしているうちに そのやりとりを 聞いていた 鶴丸が 「はい お母さま」と持ってきました。
次の朝 佐助は いつもより 一時間早く 起きました。しかし またも 鶴丸に 遅れました。
三日目の朝 佐助は さらに 一時間早く 起き ようやく お地蔵様に ご飯を 供えることができました。また 母親の手伝いも 弟や妹の子守も 少しは できるようになり 塩(しお)や醤油がどこにあるか わかるようになりました。三日目の夜 鶴丸は 佐助に言いました。
「そろそろ 私も お城に 帰らないと。私は 一人っ子だから みんなと 過ごせて 本当に 楽しかったよ」
「鶴丸様。俺は 今まで 無いものばかりを 求めていて 着物や食事や 今あるものに 満足し 感謝することを 忘れていました。本当に いい経験をしました」
次の日 お城まで 鶴丸のお伴をした 佐助は それ以来 だんだんと 家の手伝いも お地蔵様のお供えも するようになり 畑仕事も もっと頑張り出し 弟や妹を さらに かわいがりました。
また 少しずつ 勉強もするようになり 大きくなってからは お城にお仕えし やがて 殿様となった鶴丸の よき相談相手となり 国のために尽くし この国は 大いに 栄えたそうです。