鬼の涙 みんなの絵本【念佛宗(念仏宗)】

鬼の涙 みんなの絵本【念佛宗(念仏宗)】
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鬼の涙 みんなの絵本【念佛宗(念仏宗)】

念佛宗(念仏宗)では、仏さまの教えにふれていただきたいと思いまして、HPを開設しております。
21世紀は、こころの時代といわれており、仏さまの教えを学ぶことはとても大切です。
本サイトでは 鬼の涙 他の物語をご紹介しております。
念佛宗(念仏宗)では、絵本に描かれるほとけさまの心にふれることで、子どもたちの未来が光り輝くものになることを心からお祈りしております。みんなの絵本【念佛宗(念仏宗)】

鬼の涙

むかし むかし ある山に大きな赤鬼が住んでいました。
たびたび山から降りては村の 畑の作物を盗んだり「赤鬼だ!」と叫んで 村人を驚かせたり悪さをしては 楽しんでいました。
そんな ある日いつものように山を 降りて行くと小さな女の子が一人で 花を摘んでいました。
「ガオー!!」と 叫ぶと女の子は 驚いて 鬼のほうを 見ました。

鬼の涙(念佛宗)

それから 少しして にっこり笑うと花を一輪 差し出して 言いました。
「病気の お母さんが 早く良くなるように仏様に お供えする お花を 摘んでいたの。赤鬼さんにも これをあげるね」
赤鬼は びっくりしてしまいました。
こんなに やさしく 話しかけられたのは初めての ことでした。
「おまえの お母さんは 病気なのか」赤鬼は 女の子に 聞きました。
「お母さんは 私のために畑を耕して 野菜を作り町に 売りに行っていたの。
でも その畑が 荒らされて野菜が だめになりお母さんは 疲れと 悲しさで 熱が出て ずっと寝込んでいるの」
女の子の 目から涙が あふれ出しました。
赤鬼は 申し訳なくなりなんとか お詫びがしたいと 思いました。実は お母さんの畑を荒らしたのは 赤鬼だったからです。そして 赤鬼は 女の子に本当のことを 話して 謝りました。
「ごめん。すまないことをした。お母さんが 病気になって苦しんでいるなんて 知らなかった」女の子は 赤鬼の顔を見て 言いました。
「本当のことを 言ってくれて ありがとう。お母さんの 病気が 早く良くなるように いっしょに仏様に お参りしてくれますか」
本当のことを 言ったら女の子が 怒って もう二度と 口も きいてもらえないと 思っていたのに優しい言葉を かけてくれたので 赤鬼は びっくりしました。
そして 今まで 自分がどんなに ひどいことをしてきたかを反省しました。鬼は 女の子に連れられて村はずれの 仏様の前までやってくると その 優しい お顔に思わず 見とれてしまいました。すると 女の子が 言いました。
「どうか 赤鬼さんを許してあげてください。赤鬼さんは いつも ひとりぼっちできっと 寂しかったの」女の子の その優しい言葉と仏様の 優しいほほ笑みに赤鬼の目から 涙が ぽろぽろとこぼれ始めました。
鬼の涙(念佛宗) 鬼の涙(念佛宗)

今まで 涙なんか 流したことがなかったのに 止めようと思っても 次から 次へと 大粒の涙が流れてくるのです。
赤鬼は 仏の前に ひれ伏すと「本当に ごめんなさい。もう 二度と 悪さはしません」と 大きな声で 謝り「これから 村のために 働きます。どうか この女の子の お母さんの 病気を 治してあげてください」と 言いました。
その姿を じっと 見守っておられた 仏様が 仰せになりました。「赤鬼よ。前にしたことはいけないことだ。それを 反省して もう二度と悪さはしないと 約束できるか」「はい。二度と悪さは いたしません」
心から反省する 赤鬼を見て仏様は ほほ笑んで 仰せになりました。「そうか。それでは これからは村人たちを 助けて 暮らすがよい」 その日から 赤鬼は 村人たちの畑を 皆と いっしょに耕し 作物を 育てました。
やがて 収穫の季節を 迎えたころ女の子の お母さんの 病気が治り 外に出ることが できるように なりました。
「この赤鬼さんの おかげで 今年もたくさんの 作物がとれたよ」 お母さんは 言いました。「どこに 赤鬼が いるの。お前の横には 立派な 若い男の人しか いないよ」 この若い男は 昔大変な 悪さをして 恐ろしい 赤鬼の姿に変わって しまって いたのです。
それが 心の優しい 女の子に出会ったことが きっかけで元の姿に 戻っていったのでした。それからというものこの村には もう二度と赤鬼は 出なくなり 若い男は 村人たちの ために 一生懸命働き 女の子や 村人たちと仲良く 仏様に お参りをして皆幸せに 暮らしたということです。

おしまい

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